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【NEWS】XRPレジャー、ブロック生成が一時停止

2025/02/06Iolite 編集部
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【NEWS】XRPレジャー、ブロック生成が一時停止

約1時間にわたりトランザクションの処理が停止

5日、XRPレジャー(XRPL)においてブロック生成の一時停止する事態が発生した。ブロック高93,927,173でネットワークの活動が約1時間にわたりトランザクションの処理が停止した。

米リップル社のCTOであるデビッド・シュワルツ氏は、この障害の原因について、コンセンサスの機能は維持されていたものの、検証結果が適切に公開されず、ネットワークが分断されたと説明している。

この障害の正確な原因は現在も調査中であるが、初期の分析ではコンセンサスに関連する問題が指摘されている。具体的には、バリデータが適切に機能せず、ネットワークが「ドリフト(時刻同期のズレ)」したことが原因とされている。

約64分間の停止の後、ネットワークは復旧した。シュワルツ氏によると、ごく少数のバリデータオペレーターが手動で介入し、最後に完全に検証されたレジャーから信頼できる開始点を選択することで、検証が再開された可能性が高い。これにより、ネットワークの再調整が進み、正常な動作が回復したと考えられる。しかし、手動介入が直接的な解決策だったのか、ネットワークが自律的に回復したのかについては、明確な結論は出ていない。

今回の一時停止による資産や取引の損失は報告されておらず、ユーザーの資金は安全であることが確認されている。ただし、約88,000件のトランザクションが遅延した影響は無視できず、ネットワークの安定性への懸念が生じている。

XRPレジャーは、これまで堅牢なパフォーマンスを維持してきたが、今回のような障害は、今後の運用において改善が求められる課題を浮き彫りにした。バリデータによる検証が適切に公開されない場合に、ネットワークが停止するリスクが存在することが明らかになった。

最終的には復旧し、資産の損失もなし

同社は現在、技術チームによる詳細な調査を進めており、今回の障害の根本原因を特定するための分析を行っている。シュワルツ氏は、「今回の問題の分析は暫定的なものであり、今後さらなる情報が明らかになる可能性がある」と述べている。

このような障害を防ぐために、コンセンサスメカニズムの強化やバリデータの監視体制を強化し、問題が発生した際に迅速に対応できる仕組みを整えることなどの具体的な対策が求められる。さらに、障害時の対応プロトコルを明確化し、バリデータオペレーターが適切に行動できるようにする必要がある。

今回のネットワーク再調整では、バリデータオペレーターによる手動介入が一定の役割を果たした可能性がある。最後に完全に検証されたレジャーから信頼できる開始点を選定し、そこから検証を再開することで、ネットワークのコンセンサスが再構築されたと考えられている。

しかし、ネットワークの安定性を確保するためには、手動介入に頼らない仕組みが必要である。ネットワークの自律的な回復能力を強化し、問題発生時にバリデータの操作なしで修復できるシステムを構築することは重要な要素だ。

今回の障害は、XRPレジャーにとって重要なテストケースとなった。ネットワークは最終的に復旧し、資産の損失もなかったものの、コンセンサスの検証プロセスにおける問題が明らかになったことで、ネットワークの信頼性が試されている。

XRPレジャーは、リップル社の技術支援を受けながら発展を続けてきたが、今後さらに成長し、金融機関の決済システムや国際送金のインフラとしての役割を担うためには、今回のような障害への対応策を強化することが不可欠だ。

参考:デービッド・シュワルツ氏 X
画像:Shutterstock

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