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暗号資産取引所「Binance Japan(バイナンス ジャパン)」を徹底分析!

2025/03/25 21:02
Iolite 編集部
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暗号資産取引所「Binance Japan(バイナンス ジャパン)」を徹底分析!

はじめに

Binance Japan image

2023年8月、世界最大の暗号資産(仮想通貨)取引所「Binance(バイナンス)」が正式に日本市場へ再上陸をはたし、「Binance Japan(バイナンス ジャパン)」としてあらたにサービスを開始した。

世界中で1億人以上のユーザーを抱え、業界トップの取引量と技術基盤を誇るBinance(バイナンス)が、日本の暗号資産業界に本格参入したことで、国内の取引所勢力図にも変化が生じつつある。

本記事では、Binance Japan(バイナンス ジャパン)の現状を最新情報をもとに分析しつつ、取扱銘柄、手数料、ユーザー体験、競合比較、規制対応、将来性など多角的な視点から解説する。

国内取引所選びに迷う投資家や初心者にとって、本記事が信頼できる情報源となることを目的とする記事だ。

「Binance Japan(バイナンス ジャパン)」とは何か?

Binance Japan image2

Binance Japan(バイナンス ジャパン)は、かつて「Sakura Exchange BitCoin(SEBC)」として活動していた国内暗号資産交換業者が、Binance(バイナンス)による買収を経てリブランディングされたものである。金融庁の登録を受けた正規の取引所であり、Binance(バイナンス)グループのグローバルな流動性や技術力を背景に、日本の法制度に準拠したサービスを展開している。

本体のBinance.comは、かつて日本居住者へのサービス提供を停止していたが、この国内法人を通じた合法的な再進出により、国内ユーザーも安心してBinance(バイナンス)のインフラを活用できるようになった。

取扱銘柄数 日本最多水準へ

Binance Japan(バイナンス ジャパン)の最大の特徴の1つが、取扱銘柄の豊富さである。2024年3月時点で、47銘柄(BTC、ETH、BNB、SOL、DOGE、AVAXなど)を取り扱っており、日本国内の主要取引所のなかでもトップクラスのラインナップを誇る。

特にBinance(バイナンス)独自トークンであるBNB(Binance Coin)を取り扱っているのは日本国内では同社のみであり、DeFiやNFTプロジェクト、Launchpadなどグローバルでの応用性も高い資産を保有できる点は、他社にはない優位性である。

また、他の国内取引所では未上場であることが多いWeb3関連銘柄やアルトコインも徐々に追加されており、Binance.comでのリスティング経験を活かした目利き力にも注目が集まっている。

手数料・スプレッド

Binance Japan(バイナンス ジャパン)は取引手数料を0.1%と設定しており、これは国内他社と比べてやや安価である。さらに期間限定で手数料無料キャンペーンを実施することもあり、トレーダーにとっては魅力的な条件である。

一方で、販売所形式でのスプレッド(売値と買値の差)は相対的に広めであるとの指摘もある。頻繁に取引を行うユーザーにとっては、スプレッドによるコストの方が重くのしかかるため、取引スタイルに応じた使い分けが必要となるだろう。

なお、Binance.comと異なり、日本法人ではレバレッジ取引や先物取引は提供されていない点には注意が必要である。これは金融庁の規制に準拠するためであり、安全性を重視したサービス設計といえる。

UI/UX:Binance品質の洗練された操作性

グローバル版で培われたBinance(バイナンス)のUI/UXは、日本版にも反映されており、PC・スマホアプリともに直感的で高速な操作性を提供している。チャート表示、オーダーブック、注文板の動きなど、国内取引所にありがちな「もっさり感」がなく、特に中上級トレーダーには高く評価されている。

また、API連携にも対応しており、自動売買やポートフォリオ管理を行う上での柔軟性も高い。外部ツールとの連携によって、より高度な取引を可能にするエコシステムが形成されている。

Binance Japanの提供サービスとは?先物・ステーキング・IEOの現状を解説

Crypto Service image

暗号資産取引所「Binance Japan(バイナンス・ジャパン)」は、世界最大級のグローバルプラットフォームBinanceの日本法人であり、国内市場においても注目を集める存在である。本稿では、2025年3月時点でのBinance Japanの提供サービスについて、先物取引、ステーキング(Earn)、IEO(Initial Exchange Offering)の各分野に分けて詳しく解説する。

先物取引(レバレッジ取引)の提供状況

2025年3月現在、Binance Japanでは暗号資産の先物取引および証拠金取引サービスを提供していない。これは、日本国内の金融規制に準拠した結果であり、現行の制度上、レバレッジ取引に関する提供は制限されているためである。

ただし、Binance Japanは将来的な先物およびレバレッジサービスの導入について検討中であるとされており、規制環境の整備が進めば、段階的な提供開始が期待されている。

現時点では、Binance Japanは現物取引に特化した設計で、シンプルかつ安心して利用できるプラットフォームとして機能している。

ステーキング(Simple Earn)の概要

Binance Japanでは、暗号資産を預けることで利息収入を得られる「Simple Earn(シンプル・アーン)」というサービスを展開している。

これはグローバル版Binance Earnの日本版に相当するものであり、ユーザーは対応する仮想通貨を一定期間預けることで、利回りを得ることが可能である。運用プランには、自由解約可能なフレキシブル型と、一定期間のロックが必要な定期型が用意されており、年利は対象銘柄や預入期間により異なる。

なお、日本市場向けには「レンディングサービス」という名称で案内されているが、実質的にはステーキング型の運用商品と同義である。長期保有を考えるユーザーにとって、資産を有効活用できる手段のひとつとして注目されている。

IEO(Initial Exchange Offering)の現状と展望

2025年3月時点において、Binance Japanが実施したIEO(Initial Exchange Offering)はまだ存在しない。しかし、グローバル版Binanceが展開する資金調達プラットフォーム「Launchpad(ローンチパッド)」の日本市場への導入に関しては、Binance Japanの経営陣も前向きな姿勢を示している。

国内の法規制に則った形で、今後の展開が予定されており、時期は未定ながら日本においてもIEOが提供される可能性が高い。すでにBinance Japanでは、NFTマーケットプレイスや暗号資産の自動積立サービスなど、新興プロジェクトや資産形成に資する機能が提供されており、IEO導入時には国内投資家が新規トークンを正規ルートで取得できる貴重な機会になると期待されている。

競合取引所との比較 bitFlyer、コインチェックとどう違うのか?

Binance Japan(バイナンス ジャパン)を語る上で避けて通れないのが、国内主要取引所との比較である。以下は2025年3月時点の主なポイントである。

比較表

Comparison Table

Binance Japan(バイナンス ジャパン)は、銘柄数とUI、グローバル対応力において際立っているが、現状では先物やステーキング、IEO(トークン販売)といった機能は限定的であり、他社との使い分けが求められるのが現状だ。

まとめ Binance Japanは「国内+グローバル」の最前線

Binance Japan(バイナンス ジャパン)は、世界最大級の取引所としての技術力と、日本市場に最適化された法令遵守・UI設計を兼ね備えたハイブリッドな存在である。

取扱銘柄数の多さ、洗練された操作性、開発スピードの高さなど、他の国内取引所にはない競争力を持っており、中長期的に見ても有力な選択肢となり得る。

一方で、提供機能が一部制限されている点やスプレッドの広さなど、課題も存在するため、投資スタイルや目的に応じて他取引所と併用するという戦略も有効であろう。

今後もBinance Japanの動向は、日本における仮想通貨市場の健全な発展に大きな影響を与える存在として、引き続き注目に値する。

画像:Shutterstock


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