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10年後のビットコインはどうなる? 価格・規制・将来性を徹底予測!

2025/03/24 12:44 (2025/03/24 14:57 更新)
Iolite 編集部
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10年後のビットコインはどうなる? 価格・規制・将来性を徹底予測!

はじめに

Satoshi Nakamoto image

2008年、サトシ・ナカモトという謎の人物または組織が「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」というホワイトペーパーを発表し、ビットコインの概念が誕生した。

この文書によって、中央集権的な管理者なしで取引を行う方法を提案される。そして2009年1月、最初のビットコインブロック(ジェネシスブロック)がマイニングされ、ビットコインネットワークが始動。この時点ではビットコインの価値はほぼゼロであったが2025年1月には約109,000ドル(約1,650万円)の史上最高値を更新している。

2010年5月には、ビットコイン(BTC)で初めて実際の取引が行われ、10,000 BTCで2枚のピザが購入されました。この取引は「ビットコイン・ピザ・デイ」として、仮想通貨(暗号資産)愛好家のなかで記念日として祝われている。

昨今の世界的な経済の不透明感やインフレの高まりは、ビットコインへの関心が高まる要因となっている。法定通貨の価値が不安定になるなかで、ビットコインが「デジタルゴールド」としての役割を果たす可能性が注目されているのだ。

本稿ではビットコインが10年後どうなっているのか?価格予測、規制の動向、将来のユースケースといったあらゆる視点から深掘りをしていきたい。

専門家が予測するビットコインの10年後とは?

Expert image

未来を読み解くうえで重要な4つのポイント

ビットコインの歴史は、技術革新そして社会的な受容の物語ともいえる。今後もその発展と影響力の拡大は続くと考えられるが、はたしてどのような要素がビットコインの将来性を見抜くうえで重要なのだろうか。有識者の間で取り上げられることが多い4つのポイントをまとめよう。

1.経済的不安とインフレ懸念

世界的な経済の不透明感やインフレへの懸念は、ビットコインへの関心を高める1つの要素となっている。

法定通貨の価値が不安定になるなかで、ビットコインが「デジタルゴールド」としての役割をはたす可能性が注目され、投資家は資産の保全手段としてビットコインを選ぶ傾向が強まっている。

2.半減期の影響

ビットコインには約4年ごとに発生する「半減期」という仕組みがあり、これにより新規発行されるビットコインの量が半分になる。

この仕組みによってビットコイン(BTC)の供給は制限され、一定の需要が保たれている又は増加することで、ビットコイン(BTC)の価格が上昇しやすいように設計されている。

過去の半減期後には価格が急騰することが多く、投資家は2024年の半減期からの動向を見越して投資機会を伺う動きがみられている。

3.規制の整備と信頼性の向上

各国での暗号資産(仮想通貨)に関する規制が整備されつつあり、これがビットコインひいては暗号資産(仮想通貨)への信頼性を高める要因として機能している。

特に、米国でのビットコインETF(上場投資信託)の承認が進んだことは、将来的な機関投資家の参入が期待され需要の増加を後押ししている。

4.技術革新と普及

ビットコインを支えるブロックチェーン技術の進化や、取引の効率化を図るためのあたらしい技術の開発が進んでおり、ビットコインの利用がより便利になり、一般の人々や企業が受け入れる機会が増えつつある。

これらの要因が相まって、ビットコインの将来に対する関心が高まり、10年後の価格動向にも注目が集まっているということだろう。

価格はどこまで上がる?強気派・弱気派の意見

技術革新と信頼性の向上が進む一方で、先述した経済的不安とインフレ懸念は、投資家のリスク回避行動を引き起こし、ビットコインの価格に直接的な影響を及ぼしている。ビットコインの価格動向について強気目線の有識者の意見と弱気目線の有識者の意見をみてみよう。

CoinMarketCap chart

出典:CoinMarketCap

強気派の見立て

有識者によれば、2025年には120,000ドルから150,000ドルにビットコインの価格は上昇する可能性があるとの見解が散見される。極端な例にはなるが、ARKインベストメントのCEOであるキャシー・ウッド氏は、1BTCが最大で約1,500,000ドル(約2億3,000万円)に達する可能性があると述べた。

ビットコインの希少性が価格上昇を後押しすると強気派は主張する。半減期の設計は供給量を制限することに加えて、ビットコイン現物ETF等への機関投資家の資金流入によって、新規発行分に対する需要が高まることで、価格が上昇するというのが大方の見立てだ。

また、低金利環境が続くなかでは、ビットコインが資産のヘッジ手段として機能する可能性に注目が集まっており、今後米国における利下げが行われた際には、ビットコインの価格にポジティブな影響が起こり得るという見方がされている。

弱気派の見立て

現在、ビットコインは史上最高値の更新から80,000ドルまで下落しており、弱気相場の兆候がみられています。アナリストは、世界的な景気後退への懸念やデリバティブ市場の圧力がこの弱気相場を引き起こしていると指摘している。

一部の専門家には、ビットコインが2025年に45,000ドルまで下落する可能性があると予測しており、強気派と弱気派の意見が大きく分かれていることを示している。

現在の市場が過熱している可能性があると指摘し、ビットコインの将来に対する不透明感が依然として存在するなかでの規制の変化や市場心理が価格に与える影響について慎重な姿勢だ。

ビットコインは法定通貨に代わるか?

Fiat Currency image

ビットコインが将来的に法定通貨の持つ一部の機能を取って代わる可能性があると考えられている。特に、ビットコインは「デジタルゴールド」としてあらたな金融資産という地位を確立しつつあり、中央銀行や企業の準備資産としての利用が進む可能性がある。

実際、エルサルバドルのように、ビットコインを法定通貨として採用する国も現れている。このような動きは、ビットコインの国際的な受容を促進し、他国でも同様の試みが行われる可能性があると考えられる。

一方で、法定通貨に置き換わるようなデジタルアセットとして確立されるには、未だ課題も残っている。ビットコインは価格が非常に不安定であるため、法定通貨としての機能をはたすには不十分とされることが多い。安定した価値を持つことが求められる通貨としては、ビットコインのボラティリティは大きな障害となる。

また、各国の中央銀行や政府は、ビットコインのような非中央集権的な通貨が広がることを警戒しており、規制を強化する動きもみられている。これにより、ビットコインが法定通貨に取って代わることはさまざまな条件を乗り越えなければならないと考えられているようだ。

将来的に特定の状況下では代替手段としての役割をはたす可能性は残っている。ビットコインと法定通貨が、共存しながら発展していくと考えるのが自然だろう。

10年後に期待される活用シーンとユースケース

future image

ビットコインやブロックチェーン技術の今後10年間における活用シーンとユースケースは、技術の進化や市場の変化に伴い多様化することが期待されている。主軸となり得る3つのポイントについてまとめる。

国際送金

サトシ・ナカモトが2008年に発表したホワイトペーパー「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」によれば、分散型のデジタル通貨として、中央集権的な管理者を持たずにユーザー同士が直接取引できるシステムを構築することが目的であることがわかる。

ビットコインは国境を越えた送金において、従来の金融機関を介さずに従来の送金手段よりも迅速かつ低コストで行える。アルトコインの技術革新に伴って、ビットコインよりも迅速で低コストで送金できる暗号資産も存在するが、金融資産としてと地位を確立したビットコインも引き続き送金手段としての利用は進むことが予想される。

金融資産

米国を始めとしたいくつかの国では、ビットコインを国家の準備資産として活用する動きがみられる。現在に至ってはビットコインの法的地位が向上し、より広範な利用が促進される可能性がある。ビットコインの根幹ともいえる、ブロックチェーン技術においては、不動産や株式などの物理的資産をトークン化することで流動性を高め、より多くの投資家がアクセスできるように活用が進んでいる。これにより、将来の資産管理の方法が変わるだろう。

スマートコントラクトや次世代技術との融合

DeFi(Decentralized Finance)プラットフォームは、ビットコインを利用した貸付や流動性提供などの金融サービスを提供し、従来の金融システムに代わるあらたな選択肢を提供している。また、暗号資産のブロックチェーン上でスマートコントラクトを活用することで、契約の履行を自動化し、透明性と信頼性を向上させることができる。これにより、ビジネスプロセスの効率化が図られるだろう。

リスクと課題 ビットコインの不安要素は10年後には改善するのか

risk image

ビットコインは価格変動が非常に激しいことで知られている。過去のデータによると、ビットコインの年平均ボラティリティは約46%に達し、これはほかの資産クラスと比較しても非常に高い数値だ。このような価格の不安定さは、主に5つの要因からきている。投資家にとってリスクを伴い、短期的な投資判断を難しくなる要素とはどのようなものがあるのだろうか。

規制の不確実性

ビットコインに関する法律や規制は国によって異なり、今後も変更される可能性がある。各国の政府が暗号資産(仮想通貨)に対してどのような規制を導入するかは、暗号資産(仮想通貨)市場に大きな影響を与える要因だ。規制が厳格化されれば、取引の流動性が低下し、価格に悪影響を及ぼす可能性は残る。

スケーラビリティの問題

ビットコインのネットワークは、取引処理能力に限界があり、トランザクション(取引)の処理速度が遅くなることがある。これにより、特に取引が集中する時間帯には、手数料が高騰したり、取引が遅延したりすることがある。スケーラビリティの問題は、ビットコインが日常的な決済手段として広く普及する上での障壁となるのだ。

環境への影響

ビットコインのマイニングは大量の電力を消費し、環境への負荷が懸念されている。特に、化石燃料に依存したマイニングが行われている地域では、持続可能性の観点から批判を受けることがある。環境問題が深刻化するなかで、ビットコインのエネルギー消費に対する社会的な反発が強まる可能性がある。

セキュリティリスク

ビットコインに資産的な価値が伴ってきたことによって、保管をするウォレット等がサイバー攻撃やハッキングのリスクにさらされている。取引所やウォレットがハッキングされると、ユーザーの資産が失われる可能性がある。

また、ビットコインのような規模の暗号資産では極めて低い可能性だが、特定のブロックチェーンネットワークにおいて、悪意のある個人またはグループがマイニングパワーの51%以上を支配することによって発生するセキュリティ脅威、いわゆる「51%攻撃」と呼ばれる攻撃手法により、二重支払い(同じトークンを2回使用すること)が可能になり、ネットワークの信頼性が損なわれるリスクもゼロではない。

暗号資産市場の競争

ビットコインは多くのあたらしい暗号資産やブロックチェーン技術と競争している。これらのあたらしい技術がビットコインの機能を上回る場合、ビットコインの市場シェアが減少する可能性がある。特に、スマートコントラクト機能を持つプラットフォームが普及することで、ビットコインの利用価値が相対的に低下することも考えられる。

個人投資家はどう備える?ビットコイン10年戦略

Education image

ビットコインの金融資産としての地位が確立されていくなかで、さまざまなリスクは常に孕んでいる。それでも将来にわたってビットコインの保有を考える方々は10年、20年という長期間で保有する過程でどのようなことに注意し、どう備えるべきか。

市場の理解と教育

投資家は暗号資産市場の動向をしっかりと理解する必要があるだろう。ハッキング事件等をきっかけとした過去の価格変動や半減期等の市場のトレンドを学ぶことで、より良い投資判断が可能になる。ビットコインの価格は需給バランスや規制の変更、経済ニュースなどに大きく影響されるため、これらの要因をキャッチアップできる環境に身を置くことが重要だ。

フォーラムやSNSを通じて有識者やほかの投資家と情報を共有し、最新のトレンドや投資戦略について議論することで、視野を広げることも選択肢の1つだが、未だに暗号資産関連の詐欺事件は横行しているため信頼できる情報源からの情報収集を心がけたい。

リスク管理

暗号資産への投資にはリスクが伴う。特に価格の急激な変動や規制の不確実性、セキュリティリスク(ハッキングや詐欺)などがあげられる。投資家は、リスクを分散させるためにポートフォリオを多様化し、ビットコイン以外の資産にも投資することを検討すべきだ。また、投資額は自分のリスク許容度に応じて設定し、無理のない範囲で行うことが推奨される。

直近では暗号資産を自社のポートフォリオに組み入れる企業が増加し、日本国内の税制度を鑑みるとこれらの企業の株を保有することも選択肢の1つとして選ばれつつあるが、この場合には暗号資産のさまざまなリスクに加えて、暗号資産を保有する企業のリスクも担うことになるという点では慎重になるべきだと考えられる。

技術的な知識の習得と長期的な視点

ビットコインを安全に保管するためには、秘密鍵の管理が不可欠だ。秘密鍵を失ったり、盗まれたりすると、ビットコインを取り戻すことはほぼ不可能。したがって、ウォレットの選択やセキュリティ対策についての知識を深めることが重要だ。間違っても保有している暗号資産が危険に晒されるような、見ず知らずの人間とのネット上での関わりには最新の注意を払ってほしい。

ビットコインは短期的な利益を追求するのではなく、長期的な視点での投資が重要だ。過去のデータをみても、ビットコインは少なくとも現在まで長期的には価値が上昇している傾向がある。一方で、短期的には大きな価格変動があるため、忍耐強く保有することも求められる。

まとめ ビットコインの10年後に備えて今からできること

Accumulation image

長期的に暗号資産を金融資産として保有をしていく上では、暗号資産に関する知識を深めることが重要だ。市場の動向、技術的な進展、規制の変化について常に最新の情報を収集し、理解を深めることで、より良い投資判断が可能になります。

特に、ビットコインの半減期や市場のサイクルについて学ぶことは、将来の価格動向を予測する上で役立つ。また、価格が低迷している時期でも、定期的に一定額を投資することで、ドルコスト平均法を活用し、価格変動のリスクを軽減することができる。これにより、購入単価を平準化し、長期的な資産形成を図ることができるだろう。

ビットコイン投資にはリスクが伴う。価格の急激な変動や規制の不確実性に備えるため、ポートフォリオを多様化し、暗号資産以外の資産クラスにも分散投資することは特定の資産に依存するリスクを軽減できるため重要だ。

また、ビットコインを安全に保管するためには、セキュリティ対策が不可欠。信頼できるウォレットを選び、取引所では二段階認証を設定しアカウントの安全性を高め、秘密鍵の管理を徹底することが重要だ。

 ビットコインの10年後に備えるために、教育、長期的な投資戦略、リスク管理、セキュリティ対策、規制の動向の把握などの要素を考慮し、計画的に行動することで、将来的な利益を最大化することができるだろう。


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