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プライズ総額160万円「HR3 Hackathon×One More Thon」 KICKOFFイベントレポート

2025/03/31 16:51
Iolite 編集部
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プライズ総額160万円「HR3 Hackathon×One More Thon」 KICKOFFイベントレポート
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    HR3 Hackathonは日本最大級の学生向けのハッカソンだ。このハッカソンではブロックチェーンのテクノロジーを使って自分たちの可能性を解き放つべく、学生による学生のためのWeb3.0プロダクトを募集。

    スポンサーとしては、日本発パブリックブロックチェーンのAstar Network及びWeb3.0特化のセキュリティプラグインを提供するKEKKAIが参加した。

    賞金総額は当初の100万円から増加。HR3 Prizeから50万円、Astar Prizeとして50万円分のASTR、KEKKAI Prize として10万円となった。これにあわせて、ONE MORE THONからは50万円が用意されたことから、2つのハッカソンの賞金総額は160万円となった。

    OneMoreThonは、過去のハッカソン提出プロダクトをもう一度アップデートした上で、再提出して評価してもらえるリバイバルハッカソンだ。過去のAKINDO関連のハッカソンで提出したプロダクトを再提出して、One More Thon Prize(50万円)の獲得を目指すハッカソンも同会場で開催される。

    ​また、会場の提供及びパートナーとして参加した博報堂グループからは、提出されたWeb3.0プロダクトの正式リリースまでの開発支援、その後のマーケティングまで博報堂グループが持つ実装力を提供し、アダプションに向けて継続的な支援がある。

    今回「UNIVERSITY of CREATIVITY」で行われたKICKOFFイベントの会場には50名近い参加者が足を運び、参加者のみが取得可能な記念NFTが配布された。

    参加者のなかには、過去のハッカソンで高評価を得たプロジェクトも多数参加したほか、チームビルディングを目的として参加した高校生や自身の取り組むプロダクトのアウトプットの場所として参加する事業者など、さまざまな目的を持った幅広い参加者が集まり、後日行われるDEMODAY前の貴重なインプットの場として賑わいをみせた。

    Web3.0は「データと価値の民主化」
    Human Resourcesやキャリアに関わるデータや価値の民主化をサポートする

    ▶︎博報堂・宮井氏

    イベント後半では、株式会社博報堂・宮井弘之氏(以下、宮井)が登壇。今回のイベントを開催するに至った経緯を氏が語った。

    宮井:博報堂DYグループは419の子会社及び関連会社で構成されています。これは会場にお越しの皆さんや、今後ハッカソンに参加される方の立場からどのような解釈ができるかっていうと、博報堂本体だけではなく、さまざまな会社との業務提携、コラボレーションのチャンスがあるということに読み直すことができると思います。

    そして今回皆さんとコラボレーションしていこう、という風に考えている組織がこの「ミライの事業室」という組織です。これはすごく簡単にいうと、博報堂の中の新規事業を専門にやる組織です。さまざまな展開をさせていただいていますが、中でも力を入れているのがWeb3.0です。

    Web3.0は一言でいうと、「データと価値の民主化」だと思っています。今まではデータがとある会社や組織に集まっていたと思いますが、ガラガラポンされる可能性があるかもしれないと思っています。そこに1つかけてみよう、Web3.0の分野に挑戦しようというのが私たちの意志です。

    広告会社は多くの人の目に触れるような仕事をしてきた経緯や歴史があるので、人の心を動かし行動してもらうということに関しては得意な領域です。そのため、皆さんが作っているプロダクトや社会の課題を、多くの人を巻き込んで解決をしていく、といったようなことを一緒に推進することができると思っています。

    これは個人的に思っていることですが、「データと価値の民主化」が起こった際に自身でコントロールできると面白いと思うのは、自分のキャリアや何を学んだか、どんなスキルを持っているのかというデータです。

    HR(Human Resources)やキャリアに関わるところで民主化を起こすと、ユースケースとして非常に早く世の中に実装をするのではないかなと思っています。このような経緯があって「HR3 Hackathon」を開催しました。

    データと価値が民主化するなかで、人間がコントロールしたいと思うデータの貯め方、活用の仕方ができるようなものに関しては、HRやキャリアに関するデータだと大きく解釈しています。あくまで大きな叩き台の考え方として持ってもらって、これらを支援できるようなことを着想した場合は、「One More Thon」でも是非応募していただけたらと思っています。

    トークセッション

    ▶︎左から博報堂キースリー・重松氏、WeCreate3・雨蛙氏、Nagoya Blockchain・丸岡亮太氏、本郷web3バレー・Shunsuke Takagi氏

    トークセッション「僕のweb3との関わり方」では、博報堂キースリーCEOの重松俊範氏と学生団体であるWeCreate3、NagoyaBlockchain、本郷web3バレーの各代表者が学生団体の立ち上げに至った経緯、所属組織と個人それぞれのビジョンを語った。

    UoCトークセッション

    ▶︎左から一般社団法人コード・フォー・ジャパン・関氏、ライフイズテック・讃井氏、博報堂・宮井氏

    UoCトークセッション「僕たちの生き方はテクノロジーでどう変わっていくんだろう?」では、一般社団法人コード・フォー・ジャパン代表理事の関治之氏、ライフイズテックの取締役最高教育戦略責任者CESOの讃井康智氏、そして博報堂の宮井氏がそれぞれの経験をもとに、次世代のテクノロジーによって社会や私たちの環境がどのように変わっていくのかをディスカッションした。讃井氏は次世代技術が社会を変える際に、「短期、中期、長期という時間軸も内包された課題の解像度が上げられるか」と「エグズキューション(計画の実行)」がポイントとなると話した。宮井氏の「Web3.0といえば〇〇」という問いに対して関氏は、「社会実験のプロトコル」、讃井氏は「教育から学習」といった自身のキャリアからWeb3.0の軸である部分は尊重しながら、独自の考察を展開していた。専門分野の異なる事業者からWeb3.0や次世代技術の活用される未来の考察が聞ける機会は貴重な機会であった。 

    OneMoreThonデモピッチ

    ▶︎DAIS(AI+Crypto Hackathon Astar Prize3位)
    AstarGames CTO ユウキ氏

    2部構成で行われたOneMoreThonデモピッチでは、合計で8つのプロジェクトの担当者がピッチを行った。OneMoreThonのコンセプト通り、過去にハッカソンに参加し高い評価を得てきた選りすぐりのハッカーたちが自身のプロダクトに磨きをかけて紹介する姿は、これからハッカソンに挑戦する学生や事業者に勇気を与えていた。

    若手ハッカーたちによるセッション

    ▶︎左からPubGraff DAO・Chang氏 、autonomous-2Ddot-crypto-world・HARUKI氏、Loot adventure・Nagumo氏 、モデレーター:AKINDO・Kinjo氏

    このキックオフイベントの最後は、デモピッチを行ったなかから今回3名の若手ハッカーたちによる「ハッカソン勝者から聞く、ハッカソンをハックしてプロダクトをローンチする方法」と題したセッションで幕を締めた。

    このセッションでは過去に行われたハッカソンにおいて実績を上げたプロジェクトの担当者が登壇。

    autonomous-2Ddot-crypto-worldのHaruki氏は、ハッカソンへ参加する理由として、あたらしいモノづくりの楽しさ、広がる交友関係、企業にいると制限があり使えないあたらしい技術の活用というさまざまなメリットがあると語った。

    AKINDOのkinjo氏の「どのように仲間集めをしたか?」に対して、PubGraff DAOのChang氏は「ハッカソンに出場することを決めてから、SNSでつぶやいたらデザイナーの方から声がけがあった。ハッカソンを通して自然とやり取りが増え、仲良くなってチームビルドしていった」と答えた。

    「ハッカソンでプライズを得るコツは?」という問いに対して、Loot adventure のNagumo氏は、「プライズの提供者にアジャストすることも1つの選択肢。最近のトレンドを追うのではなく、プライズ提供者のアイディアをもらいつつ、ディスカッションを通して進めていく方法もある」と述べた。

    主催者やプライズの提供者の求めていることをディスカッションを通して汲み取り、開発を進めるという選択肢もあると、「Oasys TokyoHACKJAM TopPrize」を勝ち取ったチームの説得力のある意見もこれからエントリーを考えているプロジェクトには良い影響を与えたことだろう。

    そして、ハッカソンはプロダクトの各主要機能開発を行っていくための、ひとつのマイルストーンとして機能する印象を受けた。今回のOneMoreThonを通して、これまでハッカソンで生まれたプロダクトがどう生まれ変わるのかが楽しみだ。

    幅広い層の参加者で賑わいをみせたハッカソン

    KICKOFFイベントを通じて、Web3.0領域の新規プロジェクトの動向や各事業者の展望が垣間見えた。ハッカソンでありながら、参加者のなかには技術者だけではなく事業の責任者や学生まで幅広い層の参加者で賑わっていた。

    8月5日の本イベントをインプットやチームビルド等のネットワーキングを主たる目的として開催し、8月27日(日)を本番としたコンセプトが幅広い層が参加する動機になったのであろう。

    本イベントを主催する宮井氏は参加者だけではなく登壇者を巻き込む明確なビジョンを持っていた。「HR3 Hackathon×One More Thon」にかける想いを本イベントに参加した方やライブ配信を視聴された方は感じたことだろう。 

    当日の様子https://www.youtube.com/watch?v=ykqccCs8AiA

    HR3 Hackathonのエントリーはこちらhttps://hr3hackathon.framer.website/

    OneMoreThonのエントリーはこちら https://forms.gle/GUayrz7aKhmiEFug9


    ◉UNIVERSITY of CREATIVITY
    UoCは、創造性を研究・実験する専門機関。DX中心の時代に、創造性を人類最大の資本と捉えなおし、みずみずしい未来の地図を描くために「社会のためのクリエイティビティの港」となることを目指し、世代、業界、専門を超えたさまざまな感性を衝突させながら「AI・IoT・ビッグデータ」や「サステナビリティ」など10のテーマ領域を設定し、独自の研究、プロジェクト活動を行っている。https://uoc.world/


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