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ビットコイン(BTC)の希少性と発行上限、マイニングや半減期による影響を解説! 

2025/03/25 20:59
Iolite 編集部
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ビットコイン(BTC)の希少性と発行上限、マイニングや半減期による影響を解説! 

ビットコイン(BTC)は、2009年にサトシ・ナカモトによって生み出された代表的な暗号資産(仮想通貨)です。ビットコインの最大の特徴の1つは、その発行上限が2,100万BTCに設定されていることです。発行上限があることで、通貨としての側面を持ちつつ、金(ゴールド)に近い性質もあわせ持っています。これにより、ビットコインに希少性が生まれています。

本記事では、ビットコインの発行上限の仕組み、希少性との関係、そして今後の影響について詳しく解説します。

ビットコイン(BTC)の発行上限とは?

BTC image

ビットコインの発行枚数と上限

ビットコインの発行上限は2,100万BTCです。2025年3月現在、すでに約1,900万BTCが発行されており、残りの発行可能枚数は約200万BTCです。この残りのビットコインは、マイニングによって徐々に発行されていきます。

ビットコインの発行メカニズム(マイニング) 

ビットコインはマイニングと呼ばれるプロセスを通じて新規発行されます。マイニングとは、取引を検証し、その取引履歴を1つのデータ(ブロック)にまとめ、ブロックチェーンに保存する作業です。

この作業は、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)というコンセンサスアルゴリズムを用いて行われます。マイナーは、大量の電力を用いて複雑な数学的問題を計算し、あたらしいブロックを生成することで、その報酬として新規発行のビットコインを受け取ります。

ビットコインの半減期と発行速度の変化

ビットコインの新規発行枚数は、約4年ごとに訪れる「半減期」によって変化します。半減期とは、マイニング報酬が半分になるイベントのことで、最初の半減期は2012年に発生し、ブロック報酬は50BTCから25BTCに減少しました。その後、2016年に25BTCから12.5BTC、2020年には12.5BTCから6.25BTCに減少しました。

直近では、2024年の半減期によって報酬は6.25BTCから3.125BTCに減少しています。次回の半減期は2028年頃を予定しており、報酬は3.125BTCから1.5625BTCに減少する見込みです。

このように、半減期によって新規発行の速度が減少し、最終的には2140年頃に最後のビットコインが発行されると予測されています。

ビットコインの発行上限と希少性の関係

BTC and Gold

デジタルゴールドとしてのビットコイン

ビットコインは、その発行上限が決められているため、金(ゴールド)と同じような希少価値を持つと考えられています。金は自然界に存在する限られた資源であり、その供給が制限されているため、価値が保たれています。

同様に、ビットコインも発行上限があるため、希少性が高く、インフレに強い資産としての注目度が高まっています。特に、経済不安やインフレが懸念される状況では、ビットコインが「デジタルゴールド」としての役割をはたすことが期待されています。

 

消滅したビットコインによる影響

ビットコインの希少性をさらに高める要因の1つは、さまざまな要因で実質的に消滅したビットコインの存在です。さまざまな要因とは、秘密鍵を紛失したり、誤って古いウォレットを放棄したりすることなどがあげられ、実際に流通しているビットコインの枚数は、現在発行されている約1,900万BTCよりもはるかに少ないとされています。そのため、ビットコインの希少性はさらに増し、価値を高める要因となっています。

ビットコインの需給バランスと価格への影響

ビットコインの需給バランスは、価格に大きな影響を与えています。需要が増加しても、新規発行が制限されているため、長期的には価格が上昇する可能性が高いとされています。

過去の半減期ごとの価格推移を振り返っても、半減期の後にビットコイン価格が上昇する傾向がみられています。

BTC All Chart
ビットコインのこれまでのチャート(CoinMarketCapより引用)

現在価格:1,310万円

2025年3月25日時点(CoinMarketCap「ビットコイン(BTC)価格・チャート・時価総額」

発行上限が設けられていることによる影響と今後の展望

BTC and Trump

マイナーへの影響(報酬減少と収益性)

ビットコインには発行上限があるため、マイニング報酬は半減期が訪れるごとに減少します。これにより、マイナーの収益性が下がる可能性があります。マイナーは、ブロック報酬が減少することでマイニング手数料に依存する度合いが高まる可能性が考えられます。

また、取引手数料はネットワークの利用状況や取引の混雑具合によって変動するため、マイナーの収益が不安定になる可能性があります。

 

2140年以降のビットコインの未来

2140年以降、すべてのビットコインが発行されると、マイニング報酬は完全になくなります。その後は、取引手数料のみでネットワークが維持されることになります。そのため、この時期にビットコインのセキュリティがどのように保たれるかは重要な課題となります。

取引手数料が十分に高ければ、マイナーはネットワークを維持するインセンティブを持ち続けますが、手数料が低い場合、マイナーがネットワークから離れる可能性が考えられます。

米国で議論が進むビットコイン準備金による影響 

現在、米国ではビットコインを準備金として利用することに関する議論が進んでいます。ドナルド・トランプ大統領の再任後、ビットコインの希少性などを鑑みて「デジタルゴールド」としてみなす動きが強まっています。こうした特性から、連邦政府や州政府がビットコインを保有することで、財政の安定性やリスクヘッジを図るための手段として注目を集めています。

一方、トランプ大統領は現時点でビットコインを売却しないスタンスを示していることから、米国が保有するビットコインは当面市場に流通しない可能性が考えられます。そうなった場合、米国政府が採用したという事実と、需給バランスを考慮して、ビットコインの希少性と価値はさらに高まる可能性があります。

まとめ

BTC image

この記事では、ビットコインの希少性と発行上限の関係を解説しました。最後に要点をまとめたいと思います。

  • ビットコインの発行上限:2,100万BTCに設定されており、希少性が高い。
  • 発行メカニズム:マイニングによって発行され、約4年ごとに半減期が訪れる。
  • 半減期の影響:新規発行の速度が減少し、需給バランスが価格に影響を与える。
  • 実質的に消失したビットコイン:秘密鍵やウォレットの紛失などにより、実際の流通量はさらに少なくなっている。
  • 米国で議論されているビットコイン準備金:ビットコインを準備金として利用することが議論され注目を集めている。

今後もビットコインの需給バランスや、マイニング業界の動向に注目することが重要となります。ビットコインの発行上限と希少性の関係を理解することで、投資や資産運用においてより良い判断ができるようになることでしょう。

画像:Shutterstock


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