暗号資産(仮想通貨)BNB(ビルドアンドビルド:旧バイナンスコイン)とは?仕組み・用途・将来性をわかりやすく解説

2025/10/15 19:13
Iolite 編集部
文:Iolite編集部
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暗号資産(仮想通貨)BNB(ビルドアンドビルド:旧バイナンスコイン)とは?仕組み・用途・将来性をわかりやすく解説

BNB(ビルドアンドビルド)とは?仕組み・用途・将来性をわかりやすく解説

暗号資産(仮想通貨)市場で最も影響力のある取引所の1つであるBinance(バイナンス)。そのプラットフォームで重要な役割を担う「BNB(ビルドアンドビルド:旧バイナンスコイン)は、単なる取引手数料の割引ツールにとどまらず、独自ブロックチェーン「BNBチェーン(BNB Chain)」上でのガス代、DeFi(分散型金融)やNFT(非代替性トークン)サービス、ゲーム、そして投資対象としても注目されている。

本記事では、BNB(ビルドアンドビルド)の基本情報から仕組み、ユースケース、将来性、そしてリスクに至るまでを網羅的に解説する。

BNB(ビルドアンドビルド)の概要と成り立ち

BNB 1

BNB(ビルドアンドビルド)は、2017年にBinance(バイナンス)の立ち上げと同時に発行されたユーティリティトークンである。当初はイーサリアム(Ethereum)ブロックチェーン上のERC‑20トークンとして発行されたが、その後2019年に独自ブロックチェーン「バイナンスチェーン(Binance Chain)」が立ち上げられ、同チェーンのネイティブトークンとなった。

なお、バイナンスチェーン(Binance Chain)は「BNBチェーン(BNB Chain)」へと名称が変更されている。また、Binance(バイナンス)が直接開発等を行っているわけではなく、ブロックチェーンとしての分散性を担保している点も忘れてはならない。

発行枚数の上限は2億BNBとされており、定期的な「バーン(焼却)」によって市場流通量が徐々に減少している。記事執筆時点での発行量は約1億3,800万BNBで、今後も一部ガス代のバーン、またBNB(ビルドアンドビルド)の価格等にもとづく定期的なバーンにより、最終的には1億BNBまでの減少を予定している。

BNB(ビルドアンドビルド)のトークンとしての仕組みと特徴

BNB 2

BNB(ビルドアンドビルド)の最大の特徴は、「多用途性」である。具体的には、下記があげられる。

  • 取引手数料の割引
    暗号資産(仮想通貨)取引所Binance(バイナンス)において、取引手数料の支払いにBNB(ビルドアンドビルド)を使うことで最大25%が割引になる。

  • BNBチェーン(BNB Chain)でのガス代支払い
    BNBチェーン(BNB Chain)上のスマートコントラクト、DeFi(分散型金融)、ゲーム、NFT(非代替性トークン)プラットフォーム等の利用時、ガス代(手数料)としてBNB(ビルドアンドビルド)が使用される。

  • ローンチパッド参加
    バイナンスローンチパッド(Binance Launchpad)での新規トークン販売(IEO)への参加にはBNB(ビルドアンドビルド)保有が前提条件であることが多く、投資を行うために準備する必要がある資産の側面もある。

このようにBNB(ビルドアンドビルド)は、取引所トークンとしての役割を超え、Web3.0エコシステム全体の中核的なインフラとなっている。

BNBチェーン(BNB Chain)とWeb3.0エコシステム

BNB 3

2020年9月、Binance(バイナンス)は当時のバイナンスチェーン(Binance Chain)とは別に「BNBスマートチェーン(BNB Smart Chain:BSC)」のリリースを発表した。その後、2022年に現在の「BNBチェーン(BNB Chain)」へと統合・ブランド変更し、より広範なエコシステム形成を目指すと発表した。

統合前のそれぞれの特徴は下記の通りだ。

  • BNBスマートチェーン(BNB Smart Chain:BSC)
    EVM互換で、イーサリアム(Ethereum)と同様にスマートコントラクトを実行可能。DeFi(分散型金融)やNFT(非代替性トークン)、dApps(分散型アプリ)が集積し、多くのプロジェクトが移植または独自展開されている。

  • BNBビーコンチェーン(BNB Beacon Chain:旧Binance Chain)
    主に高速な送金とトークン発行に特化したレイヤー。ステーキングや投票を可能にするなど、ガバナンスレイヤーの側面が強い。

再三にはなるが、現時点では上記ブロックチェーンは統合し、BNBチェーン(BNB Chain)としてそれぞれの特徴を押さえたものとなっている。トランザクションの高速性と低いガス代を両立しており、多くのWeb3.0プロジェクトやゲーム系dApps(分散型アプリ)の基盤となっている。代表例としては「パンケーキスワップ(PancakeSwap)」や「ギャラクシー(Galxe)」などがある。

BNB(ビルドアンドビルド)の価格推移とマーケットでの評価

BNB 4
BNBの直近1年間の推移

現在価格:180,323円

2025年10月15日時点(CoinMarketCap「ビルドアンドビルド(BNB)価格・チャート・時価総額」

BNB(ビルドアンドビルド)は、2017年のICO当時は1ドル未満で取引されていたが、2021年の暗号資産(仮想通貨)バブル時には一時700ドルを超える価格を記録。その後の調整を経て、2025年10月時点では大幅に価格を伸ばし、1,200〜1,300ドル台で推移している。

BNB(ビルドアンドビルド)の価格は以下のような要因によって影響を受けやすい。

  • Binance(バイナンス))の取引量/経営動向
  • バーンイベントの実施と規模
  • BNBチェーン(BNB Chain)上での取引量
  • BNBチェーン(BNB Chain)上の新規プロジェクト(DeFi/NFT/ゲーム等)
  • 米SEC(証券取引委員会)や他国規制当局による規制動向

なお、BNB(ビルドアンドビルド)は2025年10月時点で時価総額4位に位置しており、安定的な需要と高い流動性を維持している。

BNB(ビルドアンドビルド)を使う際のリスクと留意点

BNB 5

BNB(ビルドアンドビルド)には魅力的な特徴がある一方で、いくつかのリスクも存在する。

  • 中央集権性の批判
    BNB(ビルドアンドビルド)及びBNBチェーン(BNB Chain)の管理運営は、暗号資産(仮想通貨)取引所Binance(バイナンス)が直接的に行っているわけではないものの、実質的には同社の一挙一動に依存している。そのため、「分散型」を標榜するWeb3.0の思想との乖離が指摘されることがある。
  • 規制リスク
    BNB(ビルドアンドビルド)は過去に米SEC(証券取引委員会)から「証券に該当する可能性がある」との指摘を受けた。記事執筆時点では政権が変わったことで認識が変わりつつあるものの、取引所トークンの位置付け次第では、大規模な規制リスクに直面する可能性がある。
  • 技術的混雑とセキュリティ
    BNBチェーン(BNB Chain)はガス代が安いことからスパム的なトランザクションも多く、ネットワークの混雑やハッキング事件の温床となることがある。過去にはクロスチェーンブリッジに関連するハッキングも発生した。

BNB(ビルドアンドビルド)の将来性と今後の展望

BNB 6

BNB(ビルドアンドビルド)は以下の点で今後も注目され続ける可能性が高い。

  • 独自エコシステムのさらなる拡張
     BNBチェーン(BNB Chain)はすでにZKロールアップの導入を行っているほか、今後はマルチチェーン展開、分散化の進展などに注力していく見込み。
  • 規制に対する適応力
     Binance(バイナンス)はグローバルで複数のライセンス取得を進めており、BNB(ビルドアンドビルド)の利用も合法的なインフラとして受け入れられる余地がある。

Web3.0サービスとの融合
 BNB(ビルドアンドビルド)は今後、DeFi(分散型金融)、NFT(非代替性トークン)、メタバース、GameFiなどの次世代サービスにおける「通貨」、あるいは「ガス代」として機能し続けると予想される。

まとめ

BNB 7

BNB(ビルドアンドビルド)は単なる取引所トークンという枠を超え、スマートコントラクトプラットフォームの要、さらには投資対象としても高い評価を受けている。規制リスクや運営体制への課題は残るが、そのユースケースの広さとBinance(バイナンス)の影響力を考えれば、BNB(ビルドアンドビルド)は今後の暗号資産(仮想通貨)市場においても重要な役割をはたし続けるであろう。

投資する場合には、そのリスクとリターンをしっかり見極めた上で、長期的視点で向き合うことを意識する必要がある。


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