
2026年もさまざまな動きが加速するであろうWeb3.0業界だが、なかでも下記のトピックについて注目する必要があると考える。
- 日本における暗号資産の金商法移行
- 世界的なステーブルコイン活用動向
- 米国中間選挙
前述の通り日本においては暗号資産の金商法移行に向け議論が加速しており、2026年の通常国会に関連法案が成立、2027年に施行される見通しだ。暗号資産の税制改正についても2026年の通常国会にて議論され、金商法よりも先に関連法案の成立が見込まれている。しかし、実際に申告分離課税へと移行するのは2028年1月以降になるとの見方が強い。これは暗号資産の金商法を前提としていることに加え、政府や各事業者における準備に時間を要することが要因として考えられる。
金商法の移行に伴い大枠が決められた後、政令や内閣府令でより詳細が固められていくことになるが、ここで現在論点となっている議題をどのように解決していくかが重要となってくる。そのため、2026年も引き続き暗号資産の金商法移行に関するトピックに注目する必要があるといえる。
また、ステーブルコインについても業界の内外において利活用の動きが加速するものとみられる。複数の大手金融機関らによれば、ステーブルコイン市場は2030年までに数兆ドル規模にまで成長するとの予測があり、すでに決済企業などによる参入事例が見受けられている。
日本においては、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行のメガバンク3行が日本円建てステーブルコインを共同で発行することを計画。SBIホールディングスもスターテイルとともに日本円建てステーブルコインを発行すると発表しており、「日本円ステーブルコイン」の覇権争いに向けた競争が激化するものとみられる。円建てステーブルコインの活用が国内外においてどこまで広がるかは未知数であるが、大きな可能性を秘めるトピックとして2026年も大きな注目を集めることが予想される。
最後に、2026年は米国において中間選挙が実施される。この選挙は現政権に対する中間評価の位置付けで行われることから、今後のトランプ政権を左右する大きなトピックとなる。万が一、共和党が敗北した際には、再び暗号資産を取り巻く規制整備の動きが鈍化するおそれがあり、暗号資産市場にも大きな影響が及ぶ可能性も考えられる。
選挙の結果は、トランプ大統領の政策にも影響を与える。それは暗号資産業界に限らず、混沌を極める世界情勢、そして世界経済にも必然的に波及していくことが予想される。米中間選挙の行方に、全世界が注目することになりそうだ。