暗号資産(仮想通貨)GST・GMTとは? 注目のGGTとの関係と今後の展望も解説

2025/08/07 17:05 (2025/08/07 17:05 更新)
Iolite 編集部
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暗号資産(仮想通貨)GST・GMTとは? 注目のGGTとの関係と今後の展望も解説

Move to Earn時代の象徴「GST」「GMT」とは

近年、暗号資産(仮想通貨)業界では「P2E(Play to Earn)」の概念から派生した「M2E(Move to Earn)」というあらたなムーブメントが注目を集めている。M2Eはユーザーの実際の運動や行動を報酬に変える仕組みであり、暗号資産(仮想通貨)とフィットネスの融合により、健康的なライフスタイルと経済的インセンティブを両立させる新ジャンルである。

その代表的プロジェクトが「STEPN(ステップン)」である。高速ブロックチェーンであるソラナ(Solana)を基盤とし、ユーザーがスニーカーNFTを保有して歩いたり走ったりすることで、報酬を獲得できる仕組みを提供している。ここで中心的な役割をはたしているのが、GST(Green Satoshi Token)とGMT(Green Metaverse Token)の2種類のトークンである。

GST・GMTの違いと用途

GSTとGMTは、STEPN(ステップン)内で異なる役割を担うトークンだ。両者の違いを理解することは、プロジェクトの経済圏を正しく把握し、適切な投資判断を行う上で不可欠である。

GST:ゲーム内報酬の中核

GST image

GSTは、STEPN(ステップン)をプレイすることで獲得することができるゲーム内報酬トークンである。STEPN(ステップン)はユーザーがスニーカーNFTを使って歩行やランニングを行うことで、主にGSTを獲得する仕組みとなっている。獲得したGSTはスニーカーのレベルアップ、修理、ミント(あらたなスニーカーの生成)といったアクションに使用される。よって、ゲーム内の活動が活発化するほど、GSTの需要が自然と高まる構造だ。

しかし、GSTの発行量は現在ユーザー数の増加に伴いインフレ傾向にある。これはあらたなユーザーが増えるとともに報酬として発行されるトークン量が増加するためだ。

STEPN(ステップン)ではスニーカーのレベルアップやミントなどの際にGSTやGMTを使用する。使用したGSTやGMTはバーン(焼却)される仕組みであり、ここで需給バランスが調整される。

GMT:ガバナンスと希少性の象徴

GMT image

GMTは、STEPN(ステップン)のガバナンストークンであり、より限定的かつ長期的な価値を持つ。GMTは一定の条件(スニーカーのレベル、エナジー量など)を満たすことで獲得可能となり、GSTと異なり発行上限が決まっている。この希少性が投資家の関心を引く要因となっている。

さらに、GMTは今後のSTEPNの運営方針に対する投票権としても機能する予定であり、プロジェクトの方向性に影響を与える重要な役割を持つ。したがって、長期保有を前提とした投資対象としての注目度も高い。

GST・GMTの価格推移と現在の市場状況

GSTとGMTは、2022年のSTEPN(ステップン)ブーム時に爆発的な価格上昇を記録した。特に、GMTは上場直後から複数の大手暗号資産(仮想通貨)取引所にリストされ、短期間で10倍以上の値上がりをみせたことで話題となった。一方、GSTもゲーム内需要に応じて価格が上下する特性を持つため、活発なユーザー数の増減に大きく影響される傾向がある。

しかし、2023年以降はSTEPNユーザー数の減少やM2E市場全体の沈静化により、両トークンともに価格は下降トレンドに入っている。特にGSTは供給過多の影響を受けやすく、投資対象としてのリスクが高まっている。

GGTもSTEPN GO(ステップン・ゴー)のリリースに関する発表で注目を集めたが、正式リリースが依然として見通せないことから、2025年8月時点で価格は停滞している。

ただし、いずれのトークンも特定のアップデートや提携発表を契機に短期的な高騰をみせるケースもあるため、情報収集と判断のスピードが求められる。

注目集めるGGTとは?

GGT(Go Game Token)は、STEPN(ステップン)の後続タイトルである「STEPN GO(ステップン・ゴー)」で獲得・使用することができるあらたな暗号資産(仮想通貨)だ。2025年8月現在、STEPN GO(ステップン・ゴー)はβテストが行われている段階で、正式リリースは2025年〜2026年とされている。

GGT image

GGTは現在、UniswapなどのDEXで取り扱われている。今後、STEPN GO(ステップン・ゴー)の正式リリースにあわせてさまざまな暗号資産(仮想通貨)取引所での取り扱いが加速するものとみられる。

なお、GGTはSTEPN(ステップン)で獲得できるGSTと同じく、ゲーム内報酬トークンとして位置付けられている。そのため、STEPN GO(ステップン・ゴー)の人気とGGTの需要が増加した場合には、ガバナンストークンであるGMTの価値向上にもつながる可能性が考えられる。

GST・GMT・GGTに関する将来性とリスク

Risk image

M2E市場は、今後も一定の需要が見込まれる分野ではあるものの、持続的な成長には新規ユーザーの獲得とプロジェクト側の革新性がカギを握る。GSTとGGTはゲームのユーザー数や、経済活動に密接に紐付いているため、STEPN(ステップン)やSTEPN GO(ステップン・ゴー)のアップデート内容やスニーカーNFT価格などに大きく影響される。特にGGTはまだSTEPN GO(ステップン・ゴー)が正式リリースされていないこともあり、現時点では投資対象としてみるにはリスクが高いトークンであるといえる。

GMTは運営参加やステーキングなど、あらたな価値創出によって市場評価を高める余地がある一方、STEPN(ステップン)及びSTEPN GO(ステップン・ゴー)の盛り上がりに大きく左右されることが考えられる。

GST・GMTは買いか?実用性と価格動向から見る投資判断

investment decision image

GST・GMTの購入を検討する際は、その用途と価格変動の仕組みを正しく理解する必要がある。GSTは主にゲーム内消費目的であるため、短期的な売買に向いており、トークン価値の上昇にはユーザーのアクティブ率が不可欠である。逆にGMTは、プロジェクトの長期的な運営に関与するという性質上、長期保有やステーキングによる利益獲得に適している。

また、GGTとあわせてポートフォリオを構築することも1つの手段だ。GGTのような新興トークンは短期での高騰が期待されるが、価格の上下が激しいため、一定のリスク管理が求められる。GST・GMTで安定性を確保しつつ、GGTで高リターンを狙うといった戦略は、分散投資の観点からも合理的である。

まとめ:STEPNやGST・GGT、GMTの理解を深めよう

STEPN image

暗号資産(仮想通貨)市場において、トレンドの変化は非常に速く、短期間であらたな概念やプロジェクトが注目を集める。本記事で取り上げたGST・GMT・GGTは、いずれもM2Eという新領域の中核をなす存在であり、今後の動向に注目が集まっている。

それぞれのトークンは異なる役割と可能性を秘めており、将来的に大きな利益を生む可能性もある。一方で、明確な目的や戦略を持たずに投資することは、大きな損失を招く危険性もはらむ。市場の動き、プロジェクトの進捗、トークノミクスの変化を注視しつつ、適切な判断と分散管理を徹底することが求められる。

画像:Shutterstock、公式サイト


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