単なるミームコインから暗号資産(仮想通貨)市場の主役に躍り出た「シバイヌ(Shiba Inu:SHIB)」とは?

2025/10/02 15:16 (2025/10/02 15:18 更新)
Iolite 編集部
文:Iolite編集部
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単なるミームコインから暗号資産(仮想通貨)市場の主役に躍り出た「シバイヌ(Shiba Inu:SHIB)」とは?

シバイヌ(SHIB)とは?

シバイヌ(Shiba Inu:SHIB)は、2020年に登場したミームコインの一種だ。暗号資産(仮想通貨)市場における「ジョーク通貨(=ミームコイン)」として始まったこのトークンは、瞬く間にコミュニティの注目を集め、時価総額で上位に食い込むまでに成長した。その背景には、ドージコイン(Dogecoin:DOGE)との比較、SNSでの拡散力、そしてユーザー主導の強固なコミュニティの存在がある。

シバイヌ(SHIB)の誕生と成長の歴史

SHIB 1

シバイヌ(SHIB)は2020年8月、匿名の開発者「Ryoshi」によってローンチされた。イーサリアム(Ethereum:ETH)ブロックチェーン上に構築されたこのトークンは、当初は「ドージコインキラー」としての側面を前面に押し出していた。

シバイヌ(SHIB)の供給量は1,000兆枚と非常に多く、当初その約半数がイーサリアム(ETH)共同創設者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏に送付された。その後、ブテリン氏が一部をバーン(焼却)し、さらにトークンを大規模な寄付に回したことで、シバイヌ(SHIB)は一躍注目を集める存在となった。このエピソードは、単なるジョークコインだったシバイヌ(SHIB)に「物語性」を与え、価格と支持を同時に引き上げる結果をもたらした。

シバイヌ(SHIB)エコシステムの進化

SHIB 2

シバイヌ(SHIB)は単なるミームコインにとどまらず、自律分散型のエコシステムへと発展している。その中心にあるのがDEX(分散型取引所)である「ShibaSwap」だ。このDEXでは、シバイヌ(SHIB)のほかに、「LEASH」「BONE」といったトークンが機能的に連携しており、取引やステーキング、流動性供給などのサービスが提供されている。

また、「SHIB BURN」と呼ばれるトークン焼却メカニズムも、供給量を徐々に減らすための施策として進行中である。シバイヌ(SHIB)の価値を高めるために、コミュニティが自発的にバーンを推進する姿勢はほかのミームコインとは異なる点である。

さらに、「Shiba DAO」を通じて、シバイヌ(SHIB)保有者が意思決定に関与できるガバナンスモデルも導入されつつある。これにより、シバイヌ(SHIB)の未来は開発者だけでなく、ユーザー自身の手に委ねられているといえる。

ほかのミームコインとの違いと差別化

SHIB 3

シバイヌ(SHIB)はドージコイン(DOGE)に代表される従来のミームコインとは一線を画す存在である。ドージコイン(DOGE)が開発更新の少ない「ジョーク通貨」であるのに対し、シバイヌ(SHIB)は継続的な開発とエコシステムの拡張を重視してきた。

たとえば、DeFi(分散型金融)機能を持つShibaSwapの展開、NFT(非代替性トークン)との統合、さらにはメタバースへの進出など、シバイヌ(SHIB)は実用性とスケーラビリティを追求している。また、Web3.0に適合するプロダクトとして、dApps(分散型アプリ)との連携も進行中である。

これらの要素により、シバイヌ(SHIB)は単なるミームコインから、次世代の暗号資産(仮想通貨)としての地位を確立しつつある。

シバイヌ(SHIB)の価格動向と今後の展望

SHIB 4
Shiba Inu(SHIB)の過去1年間のチャート(CoinMarketCapより引用)

現在価格:0.001855円

2025年10月2日時点(CoinMarketCap「Shiba Inu(SHIB)価格・チャート・時価総額」

シバイヌ(SHIB)の価格は、その誕生以降、大きなボラティリティを示してきた。2021年にはイーロン・マスク(Elon Musk)氏のツイートなどがきっかけとなり、短期間で数千パーセントの値上がりを記録。その後も、バイナンス(Binance)やコインベース(Coinbase)といった大手暗号資産(仮想通貨)取引所への上場が価格上昇を後押しした。

現在は価格の落ち着きをみせつつあるが、「SHIB BURN」の進行によって中長期的な供給量は減少傾向にある。これは市場における価格押し上げ要因となり得る。

また、注目されているのがメタバース領域への本格進出である。「SHIB:The Metaverse」というプロジェクトでは、仮想空間内にシバイヌ(SHIB)の世界を構築し、土地(LAND)の販売、NFTアバター、ゲーム機能などが盛り込まれる予定だ。

これらのユースケースが実現すれば、シバイヌ(SHIB)は投資対象としてだけでなく、Web3.0における「体験価値」を提供するブランドとしての立ち位置も獲得できるだろう。

シバイヌ(SHIB)投資のメリット・リスク

SHIB 5

シバイヌ(SHIB)に投資する最大のメリットは、極めて高いボラティリティにより、短期的な価格急騰によるリターンを得られる可能性である。特に、供給のバーン(焼却)やメタバース実装などのニュースが価格変動の材料になりやすい。

また、強力なコミュニティの存在もシバイヌ(SHIB)の大きな強みである。オンライン上での情報発信や、コミュニティイベントを通じて支持層を拡大し続けている点は、ほかのミームコインにはみられない特徴である。

一方、投資リスクも少なくない。まず、価格の上下動が極めて大きく、短期的な値崩れが発生しやすい。また、世界各国で進行中の暗号資産(仮想通貨)規制強化の流れによっては、取り扱い制限が加えられる可能性もある。

したがって、シバイヌ(SHIB)への投資は、暗号資産(仮想通貨)ポートフォリオにおける「ハイリスク・ハイリターン枠」として位置付けるべきである。適切なリスク分散と情報収集が欠かせない。


シバイヌ(SHIB)は単なるミームコインではない

SHIB 6

シバイヌ(SHIB)は、ミームコインとしての出発点から脱却し、実用性と拡張性を兼ね備えた暗号資産(仮想通貨)へと進化している。

コミュニティ主導の開発と革新的な取り組みにより、Web3.0時代の中核を担う存在となる可能性を秘めている。ドージコイン(DOGE)とは異なる道を歩むことで、シバイヌ(SHIB)は単なるミームコインから、「未来を切り開く暗号資産(仮想通貨)」へと変化を遂げつつある。

今後もシバイヌ(SHIB)の活用事例や関連プロジェクトの進捗が価格面に大きな影響を与えるものとみられる。


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