暗号資産(仮想通貨)ポリゴン(Polygon:POL)とは?特徴・将来性・活用方法までわかりやすく解説

2025/10/08 20:06
Iolite 編集部
文:Iolite編集部
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暗号資産(仮想通貨)ポリゴン(Polygon:POL)とは?特徴・将来性・活用方法までわかりやすく解説

なぜ今ポリゴン(Polygon)が注目されているのか?

暗号資産(仮想通貨)の世界で「イーサリアム(Ethereum)」という名前を耳にしたことがある人は多いだろう。
しかし、そのイーサリアム(Ethereum)が直面する「ガス代の高騰」や「処理速度の限界」といったスケーラビリティの課題に対し、革新的な解決策を提供しているのがポリゴン(Polygon:POL)である。

ポリゴン(Polygon)は、イーサリアム(Ethereum)と高い互換性を持ちつつ、圧倒的な低コストと高速処理を実現する「レイヤー2(L2)スケーリングソリューション」の代表格である。NFT(非代替性トークン)やDeFi(分散型金融)を始めとしたWeb3.0アプリケーションの拡大に伴い、ポリゴン(Polygon)の存在感は日に日に高まっている。

本記事では、ポリゴン(Polygon)の仕組みや技術的特徴、代表的なユースケース、投資対象としてのPOL(旧MATIC)、そして今後の展望までを、わかりやすく解説する。

ポリゴン(Polygon)とは?プロジェクトの概要と背景

Polygon 1

ポリゴン(Polygon)は、2017年にインドのJaynti Kanani氏らを始めとする開発者チームによって立ち上げられたイーサリアム(Ethereum)のスケーリングソリューションである。当初は「Matic Network」の名称でプロジェクトは進められていたが、2021年2月にリブランディングする形で現在の名前に変更された。

ポリゴン(Polygon)はイーサリアム(Ethereum)との互換性を保ちながら、トランザクション処理の高速化とガス代の低減を目的として設計されている。

プロジェクトの中核となるのが、ネイティブトークン「POL」である。POLは、ポリゴン(Polygon)上の取引手数料支払いや、ネットワークのステーキング、ガバナンス投票などに使用される。

なお、POLはもともと「Matic Network」の名残りで「MATIC」というトークン名だった。しかし、2024年9月より現行のPOLへ変更されている。

そんなポリゴン(Polygon)は、単なる「サイドチェーン」の枠を超え、PoSチェーン・zkロールアップ(zkEVM)・データ可用性レイヤーなど、複数のスケーリング構造を持つマルチチェーンエコシステムへと進化を遂げている。

ポリゴン(Polygon)の仕組みと技術的特徴

Polygon 2

ポリゴン(Polygon)は、主に以下の2つの技術的枠組みによって構成されている。

Proof of Stake(PoS)チェーン

Polygon PoSチェーンは、イーサリアム(Ethereum)にブリッジされたサイドチェーンであり、独自のバリデータネットワークによってブロックを生成する。
トランザクションはポリゴン(Polygon)ネットワーク上で完結し、処理速度は約1〜2秒、ガス代は1円未満という高い効率性を実現している。

zkEVM(Zero Knowledge Ethereum Virtual Machine)

Polygon zkEVMは、イーサリアム(Ethereum)のスマートコントラクトと完全に互換性を持ちながら、ゼロ知識証明技術によってトランザクションの正当性を検証する。これにより、セキュリティとスケーラビリティの両立が可能となる。

そのほかの特徴

  • EVM完全互換:イーサリアム(Ethereum)のdApps(分散型アプリ)がほぼそのまま動作可能
  • ネイティブブリッジ:イーサリアム(Ethereum)⇄ポリゴン(Polygon)間の資産移動がスムーズ
  • トークン標準:ERC-20/ERC-721に準拠した資産管理が可能

これらの技術により、ポリゴン(Polygon)は「イーサリアム(Ethereum)の混雑を回避しつつ、分散性とセキュリティを維持できるレイヤー2プラットフォーム」として、急速に利用が拡大している。

ポリゴン(Polygon)を活用した代表的ユースケース

Polygon 3

ポリゴン(Polygon)は、NFT(非代替性トークン)やDeFi(分散型金融)、Web3.0ゲームといったさまざまな領域で活用されている。

NFT(非代替性トークン)マーケットプレイス

OpenSea(オープンシー)を始めとする主要なNFT(非代替性トークン)プラットフォームは、ポリゴン(Polygon)ネットワークに対応している。これにより、数百円程度のガス代でNFT(非代替性トークン)の発行・売買が可能となり、初心者でも参加しやすいエコシステムが構築されている。

また、「Lens Protoco(レンズプロトコル)」などの分散型SNSもポリゴン(Polygon)上で稼働しており、Web3.0時代のあらたなコンテンツ経済を支える基盤として注目されている。

DeFiプロトコル

“Polygon版Uniswap”である「Quickswap(クイックスワップ)」や、「Aave(アーべ)」、「Curve(カーブ)」、「SushiSwap(スシスワップ)」などの主要DeFi(分散型金融)アプリがポリゴン(Polygon)上で展開されており、低コストでのスワップや利回り運用が可能となっている。

Web3.0ゲーム・メタバース

「The Sandbox(ザ・サンドボックス)」や「Arc8(アークエイト)」など、ポリゴン(Polygon)ベースのWeb3.0ゲームが数多く開発されており、NFT(非代替性トークン)とゲーム資産を組み合わせた「Play to Earn」モデルが拡大中である。

ポリゴン(Polygon)のメリットとデメリット

Polygon 4

メリット

  1. 低いガス代
    1回の取引にかかる手数料は1円以下。イーサリアム(Ethereum)に比べて圧倒的に安い。
  2. 高速なトランザクション処理
    平均処理時間は1〜2秒。NFT(非代替性トークン)の発行やDeFi(分散型金融)操作がストレスなく行える。
  3. 広範なdApps(分散型アプリ)対応
    EVM完全互換であるため、イーサリアム(Ethereum)向けのアプリが簡単に展開できる。
  4. 活発なエコシステム
    開発者数、ユーザー数ともにレイヤー2で最大級。大手企業の参入も進んでいる。

デメリット

  1. セキュリティの階層性
    PoSチェーンではイーサリアム(Ethereum)本体のセキュリティに直接依存しないため、技術的な独立性がリスクとなる場面もある。
  2. 中央集権的ガバナンス
    一部の運営決定が財団主導で行われており、分散性という観点から課題が指摘されることもある。
  3. POL価格のボラティリティ
    ガス代支払いに使われるPOLトークンの価格変動が、長期的な利用コストに影響を与える可能性がある。

ポリゴン(Polygon)の将来性と最新動向

Polygon 5

ポリゴン(Polygon)は、単なるサイドチェーンにとどまらず、今後さらに拡張的な「Polygon 2.0」への進化を目指している。

Polygon zkEVMの本格運用

イーサリアム(Ethereum)の完全互換を持ちつつ、zkロールアップによる高いセキュリティとスケーラビリティを両立させるzkEVMの導入は、ポリゴン(Polygon)の競争力をさらに高めている。

Polygon 2.0構想とガバナンス改革

ネットワークを複数の「チェーン」に分散させ、エコシステム全体をポリネットとして再設計する構想が発表されている。
また、トークンのリブランディングやあたらしいステーキング設計も検討されており、長期的な視点からも注目されている。

企業導入の加速

Nike、Reddit、Starbucksなどの大手企業がポリゴン(Polygon)を利用したNFT(非代替性トークン)プロジェクトを展開しており、「実用的なブロックチェーン」としての信頼性が高まっている。

ポリゴン(Polygon)の使い方と始め方

Polygon 6

ポリゴン(Polygon)を利用するためには、以下のステップが必要である。

  1. 暗号資産(仮想通貨)取引所でPOLを購入
    国内ではコインチェックOKJなどが対応している。
  2. ウォレットの設定
    MetaMaskなどのWeb3.0ウォレットを用意し、ポリゴン(Polygon)ネットワークを追加。
  3. ブリッジの利用
    イーサリアム(Ethereum)上の資産をポリゴン(Polygon)へ移動させるには、公式ブリッジやLayerSwapを活用する。
  4. dApps(分散型アプリ)の利用
    NFT(非代替性トークン)の購入、DeFi(分散型金融)での流動性提供、ステーキングなどに挑戦可能。

ポリゴン(Polygon)はWeb3.0時代の“実用ブロックチェーン”である

Polygon 7

ポリゴン(Polygon)は、イーサリアム(Ethereum)の弱点を補うスケーリングソリューションとして、開発者・投資家・企業の間で高い評価を受けている。ガス代の安さ、処理速度の速さ、そしてzkEVMを始めとする技術革新により、単なるレイヤー2ではなく「Web3.0インフラ」としての地位を確立しつつある。

NFT(非代替性トークンsap,)やDeFi(分散型金融)、ゲーム、決済など、あらゆるユースケースでの展開が進むなか、ポリゴン(POL)は「使われるブロックチェーン」として今後も注目を集める存在であるといえる。

イーサリアム(Ethereum)の未来がスケーラビリティにかかっているとすれば、ポリゴン(Polygon)はその未来を形にする最前線にいる存在であることは間違いない。


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