暗号資産(仮想通貨)カストディ大手のFireblocksは22日、米決済大手Visaが同社を約25億ドル(約3,900億円)で買収する交渉を進めているとの報道について、「現時点では事実ではない」と否定した。
Fireblocksの買収については、米メディアAxiosが同日報じた。Axiosは複数の関係者の話として、VisaがFireblocksの買収に向けて最終段階の交渉に入っていると報じていた。
これに対しFireblocksの広報担当者は、米The Blockなど複数のメディアに対し、「Visaによる当社買収の可能性に関する噂は把握している。当社にとっては初耳であり、現時点では事実ではない」とコメントした。一方、Visaの広報担当者は「噂や憶測にはコメントしない」とし、報道内容への言及を避けたという。
Fireblocksは2018年に設立された企業で、金融機関や暗号資産取引所、決済企業向けにデジタル資産の保管・送金インフラを提供している。2022年1月には5億5,000万ドル(約860億円)を調達したシリーズEラウンドで、評価額が80億ドル(約1.2兆円)に達していた。報道された約25億ドルという金額は、この評価額を約7割下回る水準となる。
近年、大手決済企業によるステーブルコイン分野への進出が相次いでいる。競合のMastercardは今年8月、ステーブルコイン決済インフラを手がけるBVNKの買収を完了した。
Visaも今年9月、ステーブルコインによる決済額が年換算で200億ドルを超え、前年の15倍以上に拡大したと明らかにしている。8月にはZerohashと提携し、送金サービス「Visa Direct」にステーブルコインでの入金・支払い機能を追加するなど、取り組みを強化している状況だ。
一方、Fireblocksも2025年9月、Circleなど40社超が参加するステーブルコイン決済ネットワーク「Fireblocks Network for Payments」を立ち上げている。
Visaはこれまで、ステーブルコイン分野では英BVNKへの出資や他社との提携を中心に取り組みを進めてきた。今回の報道が事実であれば、Visaがステーブルコインを始め、カストディ分野へより一層注力する姿勢を強めるものとなるが、Fireblocksの否定を受け、交渉の実態は不透明な状況となっている。
参考:Axios、The Block
画像:ShutterStock
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