
“行ける” NFT美術館 「Colored Carp」Nishikigoi NFT
限界集落が伝統文化を活用し世界を相手に仕掛ける地方創生
豪雪、震災、高齢化という厳しい条件下にある山古志地域が新潟県長岡市をパートナーに、世界初の自治体公認プロジェクトとして伝統文化である「錦鯉」モチーフの電子住民用NFTを発行。
新潟県長岡市の山古志地域(旧山古志村)は山間部ならではの起伏の激しい地形に加え、冬季には4mもの積雪になる中越地方の豪雪地帯だ。
1956年に種苧原村、太田村、竹沢村、東竹沢村という4つの村が合併し山古志村が発足。2004年には新潟中越地震が起き、一時は全村避難になるなど、壊滅的な被害も被った。
この震災の後に長岡市に合併される形となり現在は「長岡市山古志地域」となっている。17年前の震災当時には2,200人いた地域住民も、現在では約800人、加えて高齢化も進んでおり、地域自体が消滅の危機にある「限界集落」でもある。
一方で山古志は数多くの歴史的文化遺産を受け継ぎ続けている地としても知られている。代表的なのは丘陵地に広がる「棚田」の風景。加えて国の重要無形民俗文化財にもなっている、「牛の角突き」という千年もの歴史を持つといわれる闘牛などだ。
そんな山古志の文化遺産の1つに「錦鯉」がある。知らない人も多いかも知れないが、山古志は「錦鯉発祥の地」なのである。古くから豪雪地帯だった山古志では、冬には交通が閉ざされ、地域の外に出ることが難しいことも多かった。
そこで冬場のタンパク源として真鯉の飼育を始めたのが発端だ。棚田ならぬ「棚池」で鯉を養殖していると、ある日突然変異で赤い模様のある鯉が生まれていた。人々はこれを「色鯉」と呼び大事に育て、交配を続けるうちに「泳ぐ宝石」と呼ばれる錦鯉が誕生したのである。
錦鯉の歴史を受け継ぎながらも、限界集落としての問題に直面していた山古志が、2021年からあらたに始めたプロジェクトが「Colored Carp Nishikigoi NFT」だ。これは錦鯉をシンボルにしたNFTアートであり、山古志地域の「電子住民票」も兼ねている。
この電子住民票は、実際の住民ではなくても、オンライン登録を行えば地域の一部サービスが受けられるというもの。NFTの販売益は山古志地域に必要なプロジェクトや課題解決を独自財源として活用される。
▶︎購入したNFTは「電子住民票」になり、地域活性化プロジェクトへの参加やデジタル村民選挙投票などを行うことができる。
このNFTプロジェクトは、日本全体で人口減少が進むなか、定住人口に捕らわれて人口の奪い合いをするのではなく、グローバルを視野に入れた持続可能な「山古志」を目指す形でスタートしている。
山古志地域を存続させるためのアイデアや事業プランについてもデジタル住民専用のDiscordコミュニティで随時話し合いが行われており、将来的には電子住民票を持つ人限定のレジデンスなども建設予定。現在ではメタバース空間に構築された山古志地域でデジタル住民と交流できる「仮想山古志村プロジェクト」も動き出している。
▶︎「Colored Carp Nishikigoi NFT」は、ウェブサイト経由で購入可能。限界集落ならではの、グローバルな視野を取り入れた戦略だ。
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“行ける” NFT美術館 「入江泰吉記念奈良市写真美術館」
◉入江泰吉記念奈良市写真美術館
https://nishikigoi.on.fleek.co/
商品名: Colored Carp 販売価格:0.03ETH 販売数:10,000点 発売日:2021年12月14日
ブロックチェーン:Ethereumアーティスト: Okazz / おかず Twitter https://twitter.com/nishikigoiNFT